膾を吹く hot ICRM 2004 8 18
「羮に懲りて膾を吹く」という、ことわざがあります。
これは、羮の熱さに懲りて、冷たい膾をも、吹いて食べるという意味です。
一度失敗したことに懲りて、無益な用心をすることのたとえです。
現代風に言えば、熱いチーズを食べて、それに懲りて、
冷たいバニラのアイスクリームも、吹いて、冷ましてから食べることでしょうか。
今日(8月18日)の日本経済新聞では、
「将来の不安 効率経営で克服」という記事で、
経営者の不安心理を書いています。
これを難しく言えば、経営心理学ということになるのでしょうが、
要するに簡単に言えば、「羮に懲りて膾を吹く」ということでしょう。
人間というものは、過去に失恋したことがあると、
少しでも不安なことが出てくると、
また、この恋、失敗するのではないか、
あるいは、あまりにも良いことが続くと、
これは、悪くなる兆しではないか、
この恋、今が最高で、後は下り坂ではないかと思うものです。
経営者の心理も、
強気と弱気の間で揺れ動く乙女心のようなものでしょうか。
そうすると、若い時に恋愛経験の多い経営者の方が強いのでしょうか。
しかし、不透明な時代こそ、経営者の出番です。
高度成長時代や安定成長時代は、経営者は不要なのです。
誰がやっても成功します。
年功序列で経営者を選んでも問題なかったのです。
企業戦国時代の今こそ、経営者の出番です。
今こそ、経営者の腕の見せ所なのです。
(注)
膾 a dish of raw fish and vegetables seasoned in vinegar
羮 clean soup